【カンブリア宮殿メモ】海洋堂社長宮脇修一のオマケとカプセルにかけた魔法


 
今回はフィギュアで年商24億円という実績を上げているフィギュア界の生ける伝説海洋堂社長宮脇修一さんです。

本題に入る前に海洋堂がどのようなフィギュアを扱っているのかアマゾンで調べてみました。なんとアマゾンの超絶可愛いダンボールフィギュア「リボルテックダンボー」までもが名を連ねているではないですか!?

※ あくまでメモであるため、一部抜粋、実際の言葉と語尾など異なっている部分があります。大事なところは押さえているつもりです。ご了承ください。

フィギュア文化の伝道師が登場


 
世界を魅了する造形の世界。フィギュア文化の礎を作った海洋堂が登場!

■ 海洋堂”宮脇語録”
  • マーケティング → いっさいしない
  • 社員教育 → ほったらかし
  • 会社の成長 → 興味なし
  • 大人の解決 → するはずなし
  • 5年後の未来 → 考えても仕方がない
小池栄子:動物のフィギュアをお菓子のおまけに入れたのは当時としては斬新だったようだが。

宮脇修一:30年前から作ってはいたが、お菓子の中に入れたのは斬新だった。当時はキャラクターモノしか入っていなかった。

村上龍:マーケティングをやられて、チョコエッグの中身は動物のフィギュアが良いらしいというのではないのではないか。

宮脇修一:大手代理店さんはコンビニの出口で、何が欲しいか100人くらいのアンケートをとるが、それでは動物のフィギュアは出てこなかった。それを試しにやってみたら1億4,000万個売れた。

小池栄子:ガチャガチャもそうだが何のフィギュアが出てくるか分からない。買う側としては、例えば猫が欲しいのに猫を手に入れることが出来ない。

宮脇修一:それが大ヒットの秘密。中身の表示が出来上がっていると、猫が好きだと猫以外は買わない。

造形に魂が込められる


 
どうやって海洋堂のフィギュアに魂が込められて行くのか。その製造工程を聞く!

村上龍:松村しのぶという男は、十何年もの間、美少女フィギュア好きが美少女を眺める視点で動物を眺め続けてきたらしい。

宮脇修一:松村は造形の学校を出たわけではなく、クジラが好きで東京水産大学に入った。野鳥の会に参加するなど動物オタクだった。

村上龍:日本猿を作るときに、その松村さんは日本猿の生態をずっと眺めていた。チョコエッグの中に入れるときに、このポーズが良い、この表情が良い、など分かっていた。

宮脇修一:彼は設計図を全然描かない。指の先だけで出来上がってしまう。

小池栄子:造形師の方の給料はどうなっているのか。

宮脇修一:海洋堂には10人の造形師がいて、サラリーマンと変わらず月給とボーナスがある。それ以外の外注の人には、これ1個作ったら30万円、100万円などになっている。

海洋堂の技術を詳しく分析

村上龍:繊細だが中国の人達は出来るのか。

宮脇修一:1つ1つは全然出来ない。中国の人達に理解させることは無理なので、いかに彼らのコピーする能力を活かすことが出来るか。コピーする能力は高い。

村上龍:これを作るというのは誰が決めているのか。

宮脇修一:僕と重田という男が決めている。海洋堂は独裁国家でありたいと思っている。しかし、権力を1人が持ってしまうとその国家は腐っていく。重田という男を側近に置く事でそれを防いでいる。

フィギュアの売り出し方

宮脇修一:日本は世界で一番フィギュアが嫌いな民族。浮世絵もそうだが、漫画しかなく、昔から立体を置かない。和室にこけしはあるがフィギュアはない。社長室に行っても壺しかない。

宮脇修一:まだフィギュアをお金を出して買う雰囲気ではない。お菓子の中ではなく、フィギュアだけがカプセルに入っていたら100万個は売れただろうが、1億個は売れない。オマケの魔法とカプセルという魔法。

オタクエネルギーが全ての源


 
村上龍:好きというのは曖昧で、無いよりはあった方が良いという好きもある。僕は小説を書くのがあまり好きではない。ただそれを奪われると生きて行けないかもしれない。しかし、フィギュアに関しては無いよりはあった方が良いではずっとそこにいられないのではないか。

宮脇修一:模型の疲れは模型で取る。仕事は造形のプロデュース。趣味は模型です。

【カンブリア宮殿メモ】ヤナギヤ社長柳屋芳雄のカニカマ製造機と機械屋としてのあるべき姿


 
山口県はユニクロだけではない!今回は山口県宇部市に本社を置く食品機械製造会社ヤナギヤです。そんなド田舎から世界シェア7割という数字を生み出す秘密を探りたいと思います。

※ あくまでメモであるため、一部抜粋、実際の言葉と語尾など異なっている部分があります。大事なところは押さえているつもりです。

ご了承ください。

世界シェア7割という驚きの実力


 
ヤナギヤはどうやって世界を制したのか。社長が語る世界進出エピソード。

村上龍:世界に出て行くとき最初は不安と言っていたが、上手くいくと気分は良いのではないか。

柳屋芳雄:よく言うのが国際化という言葉はよく分からないということ。フランス人、ロシア人、ブラジル人が買うと言われれば売る。違うのは言葉くらいであとは何とかなる。

村上龍:海外から売れるということは自分達がしてきたことが間違っていなかったと思えるのではないか。

柳屋芳雄:山口県の小さな中小企業が世界に機械を売るというのはプライドをくすぐる。

柳屋芳雄:ロシアでテストラインを動かしたときに入れた量の2/3しか出てこなかった。並んでいるおばちゃんが美味しいからといって紙袋に入れて持って帰っていた。それが嬉しかった。

小池栄子:今は他の国からも機械を買いたいと言われているのか。

柳屋芳雄:ちょうど買い替え時期だということと第三世代を発表したこともあり欲しいという人は多い。円高だが欲しい機械があれば買ってもらえる。あまり気にしていない。

機械メーカーとして成功した哲学


 
カマボコ店として創業したヤナギヤ。今や頼られる企業として躍進した、その成功哲学とは?

村上龍:ヤナギヤが無くなったら多くの人が困るのではないか。

柳屋芳雄:困ってもらうようなメーカーになりたい。よく言うことだが、お客様はいつの時代も困っていることは沢山ある。それを1つ1つクリアにしていくことが我々機械屋の役割だと思う。それとお客様は問題点さえ分からない場合がある。我々が「これは出来る」、お客様から「え?そんなこと出来るの?」という話から入る。

村上龍:ちょっと気になるのは、カニカマだけではどうかと思い、豆腐屋をリサーチされていたが、そのときに豆腐まで作ろうとは思わないのか。

柳屋芳雄:食品は食中毒やO157などリスキーなところがある。機械が動かないメンテナンスはあるとしても機械屋にはそれはない。

村上龍:創業者が機械を作ったようだがそういった伝統がヤナギヤにはあるのか。

柳屋芳雄:おじいちゃんがカマボコ屋でめんどくさいから機械も作ったらしい。フレキシブルに考える。とにかく風を感じろ、時代をちゃんと考えろが僕のテーマ。

村上龍:社長になった頃に社員が言う売れない理由とお客が言う売れない理由は違ったと聞くが。

柳屋芳雄:全然ギャップがある。売れない理由はもう時代になく、ヤナギヤの中で機械が悪かったり高かったりしていた。それを解決することを徹底している。何十年もやっていればそれが社員の中に染み込む。売れない理由を言えない社員は会議に出なくて良い。

世界を制する経営感覚とは?


 
いかにして社長は世界を制する企業を率いているのか。ヤナギヤ社長の鋭い経営感覚に迫る!

村上龍:チャレンジするという行為が会社のDNAに組み込まれていないと生き残るのは難しいのではないか。

柳屋芳雄:皆が新しいものを楽しむ。僕は社長の挨拶では機械の話はあまりしない。今宇宙が変わっているとか、太陽がおかしいよとか、100年に1度の雨がこんなに降るのか、そんなことを言っている。その方が興味を持ってもらえる。

村上龍:新しい技術があまりにも高額だったりなど、そのバランスはどうしているのか。

柳屋芳雄:自分の経営感覚。これ以上は無理だなとか。大きな仕事は嬉しいがこれをやったときに自分達では問題が生じるとか。自分のところの限界は知っているし、自分のところのマーケットは大きいとは思っていない。

村上龍:コンビニ1万店舗への機械の搬入はヤナギヤとはズレているのか。

柳屋芳雄:会社の目的は社員の幸せ。社員が幸せでないのは僕は嫌。1万店舗のメンテナンスをしろなんて社員には言えない。

大震災で見せた、機械屋の底力


 
数多くの取引先が被災・・・ヤナギヤが見せた行動とは?

柳屋芳雄:宮城県は日本で一番カマボコの生産量が多い県。大体海側。津波のシーンを見たときは何人もの社長の顔が思い浮かんだ。

村上龍:修理できるような状態だったのか。

柳屋芳雄:ヘドロがあり、海水に浸かり、電気関係が全部ダメ。ましてや被災した工場をかき分けるクレーンもなかった。でも危機管理は好きだから二日目か三日目くらいには準備出来ていた。

小池栄子:修理代はどうしたのか。

柳屋芳雄:安く出した。しかしあるお客さんから保険で降りるから普通の値段で良いと言われた。

村上龍:ともにサバイバルしていくという考え方だと思うが。

柳屋芳雄:困った人がいる、ましてやうちの機械、自分の子供のようなもの。それを直しに行かない親はいない。何百台あろうと、1台しかなかろうと同じことをしていた。普段のことを当たり前のようにやった。

村上龍:ヤナギヤ語録に「反省はするけど後悔はしない」というのがあるが。

柳屋芳雄:人生訓。反省する人しか伸びない。こういうインタビューでも昔のことを聞かれるのは好きではない。次にどうするの?って言われる方が嬉しい。後悔すると後ろに引っ張られ、反省すると前に向ける。良い反省は沢山した方が良い。

村上龍:あと「信頼とは小さな約束を丁寧に守っていくこと」というのがあるが。

柳屋芳雄:大きな約束は大変だから、今日は何時に集まろうなど小さな約束を守っていく。そうすると人間は自然と仲間うちになれる。

村上龍:これは僕が好きなのだが、「当たり前のことを当たり前に続けていくといつか特別なものになる」とあるが。

柳屋芳雄:これは自分の言葉ではないが、ある日本のケーキ屋さんの言われた言葉。成功哲学はどの本を読んでも当たり前のことを当たり前にやれと言っている。カーネギーも松下幸之助も言っていた。しかし当たり前のことを当たり前にやれと言われてもその結果どうなるのかが分からなかった。それを聞いて変わった。

村上龍:他の中小企業に向けたアドバイスを最後に聞きたい。

柳屋芳雄:自分の中で好きなのは相談されやすい企業。ヤナギヤに何か言ったらヤナギヤさんは何か知恵を貸してくれそうだと言って貰えている。中小企業は自分のところの可能性を信じていないのではないかと思う。誰もダメだと思っていないのに何で自分でダメだと言っているのか分からない。

柳屋芳雄:僕はヤナギヤの可能性を僕が一番信じている。

【カンブリア宮殿メモ】Oisix(オイシックス)社長高島宏平


 
えーと、スゲーの来ました。年商126億円のインターネットの食材通販会社オイシックスです。

本題に入る前に個人的なオイシックスに対するイメージなのですが、なんと言ってもメディアの活用方法があまりにも上手過ぎるという点が挙げられます。

ホームページを見ると、「Oisixからのお知らせ」があるのですが、毎月すんげー埋っています。9月はまだ半分も行っていないのですが、もうこんなにもお知らせが入っています。
「2012.09.06 「テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」でOisixが紹介されました。
2012.09.06 「テレビ東京「カンブリア宮殿」」で弊社代表の高島とOisixのお野菜が紹介されました。
2012.09.06 フレッシュハンドメイドコスメ LUSH(ラッシュ)とのコラボがスタートしました。
2012.09.03 AERA 「現代の肖像」で弊社代表の高島が紹介されました。」

もちろんただのお知らせだけでは終わりません。今回のカンブリア宮殿放送記念キャンペーンもその1つで、メディアへ露出した後の対応が本当に抜かりないです。



それでは本題に入ります。

※ あくまでメモであるため、一部抜粋、実際の言葉と語尾など異なっている部分があります。大事なところは押さえているつもりです。ご了承ください。

安心・安全で大成功!


 
自前の物流センターを持つ事で、作り手が自分の子どもに食べさせられる食材だけを届けられるシステムを確立。扱う食材は3,500品目。スーパーの1.5倍という高い価格にも関わらず、利用者数は年々増え、現在75万人を超える。

小池栄子:安全・安心を買うのならスーパーの5割り増しでも主婦としては納得できる。

高島宏平:自分達はこの価格で良いとは思っていない。もっとリーズナブルにしたい。現状の当社の実力ではその価格となってしまう。これから努力していく。

村上龍:メールマガジンが本当に素晴らしく、あのメールマガジンがオイシックスを象徴していると感じるが。

高島宏平:9年前はデジタルやインターネットは冷たい、アナログは暖かいというイメージがあったが、デジタルやインターネットだからこそ出来る暖かさがあると考えていた。メールでやることにより自分が食べているものを作った人の思いを伝えることが出来た。

村上龍:画像などは一切なく、顔文字が入っていたが、ああいうタイプのメールマガジンはオイシックスが初めてではないか。

高島宏平:食べ物と食べ物の背景にある物語をセットにして食べると、普通に食べるより美味しく感じる。メールマガジンで物語を付けて、それを一緒にお客さんに召し上がっていただく。

村上龍:メールマガジンはベテランなど手だれの人が書いているのか。

高島宏平:いろいろな人が書いている。立ち上げの頃、文章でいかに料理を美味しく表現するかを、僕達は村上龍さんの料理小説集で勉強していた。この小説はスゴイ。

食材流通業界の裏話

 
小池栄子:11年でガッと伸びているが、これは震災の影響か。

高島宏平:震災の直後は売るものが無くなって大変だった。その後、食の安全性を求める人が増えた。

小池栄子:龍さんはここまで成長されると思っていたのか。

村上龍:先見性があるわけではないが、絶対に成功すると思った。昔と今で高島さんの発言にブレがない

村上龍:当時、野菜はそんなに簡単に調達出来るのかと聞いたところ、調達出来るか出来ないかが問題ではなく、ニーズがあるかどうかが問題だと言われた。

村上龍:野菜を売っていた人がインターネットを使ったのではなく、インターネットで何かビジネスをしようとした人が野菜を売り始めたから最初の頃は野菜のことを知らなかったのではないか。

高島宏平:立ち上げ当初はインターネットビジネスをやるという思いで、何が一番社会的なインパクトを与えられるかと考え食品業界を選び、しばらくしてこれはインターネットビジネスではなく食品流通ビジネスだと気付いた。

小池栄子:震災後の売上げはどのように変わったのか。

高島宏平:放射能に対する対応は早かった。震災の翌日には汚染が問題になると思った。検査機器が必要だと思ったが、既に流通が停止していたため買う事が出来なった。そこで社員を中国とアメリカに送り、買ってくるまで帰ってくるなと伝えた。対応が早かったことで色々叩かれたこともあったが、その分お客様の安心に繋がった。

村上龍:「レール降りれないコンプレックス」について説明してもらえるか。

高島宏平:自分自身中高男子校に通い、その後東京大学大学院に行ったので、周りも大企業に行く人が多かった。そういう環境で育ったので、絶対に出世競争も頑張ってしまうと思った。

社長が語る創業秘話


 
村上龍:オイシックスの船出は2000年だが、そのときはITバブルが崩壊した年だが。

高島宏平:お金の調達には苦労した。BtoCと言われる消費者向けのインターネットビジネスが敬遠され、インターネットビジネスと言うだけで帰ってくださいと言われた。

村上龍:勝算はあったのか。

高島宏平:勝算なのかノリなのか分からないが、アメリカで成功している食品Eコマーズは一社も無かった。一社も成功していないということが僕達にとってのポジティブとなった。

村上龍:インターネットへの理解を得るのに当時は難しかったのではないか。

高島宏平:一生活者としての感覚として、生活者の中にインターネットがどんどん入ってくるのは間違いないと思った。そこを信じて事業を続けた。

村上龍:ITバブルの真っ只中にITと言うだけでお金が降って来る時代があったが、そういうときに起業するのではなく一番キツイときに起業したというのは今考えると良かったのではないか。

高島宏平:ほとんどお金が無かったのでプロモーションも出来なかった。だから一度買って頂いたお客様にもう一度買ってもらえるように満足度を上げる方法を考えた。

【カンブリア宮殿メモ】カルビー会長松本晃、ジョンソン&ジョンソンとダントツの1位


 
今回はポテトチップスやかっぱえびせんを生み出した現在スナック菓子業界シェアナンバー1のカルビーです。

※ あくまでメモであるため、一部抜粋、実際の言葉と語尾など異なっている部分があります。大事なところは押さえているつもりです。ご了承ください。

カルビーは1949年に松尾糧食工業として広島に設立された。当時作っていたのはカルビーキャラメル。カルビーという名前は子供達に栄養を与えたいという思いからカルシウムとビタミンB1から作った造語。

キャラメルに変わる新商品を模索する中で、創業者の松尾孝が目を付けたのは、瀬戸内海で豊富に取れるエビ。かくして出来たのがあのかっぱえびせん。1975年にはカルビーの代名詞となるポテトチップスを発売した。

村上龍:松本さんとカルビーの組み合わせは今までのカンブリア宮殿からすると異色。松本さんがカルビーに入ったのは09年。全然赤字でも何でもない会社に外部から向かい入れるというのはさらなるサバイバルをしようとしたということ。ダメになる前に変化することがいかに大事か。今日はサバイバルの極意を松本さんに聞いてみたい。

松本が語るリーダー論


 
伊藤忠、ジョンソン&ジョンソン日本法人社長を経て松本はカルビーへ招かれた。単なる一番ではなく、圧倒的な一番を松本は目指す。そのために松本は様々な戦略を展開する。

他社のブランドと提携しての新商品の発売。社内では若手社員の企画開発力を鍛える仕組みも導入。その名も1000本ノック。月に3本新商品の企画を提出し、プレゼンテーションすることが命じられている。

村上龍:伊藤忠に入ったのはどうしてか。

松本晃:大学院に行ったはいいが、自分より頭の良い人が全部で、ここにいたら未来はないと思った。そんな中伊藤忠商事から声が掛かり、土下座してでも入ってやろうと思った。

村上龍:ビジネスモデルが違うにも関わらず、センチュリーメディカルに出向した際に、ボトルネックや方向転換が分かったのはなぜか。

松本晃:どこの会社に行っても最初の3ヶ月くらいじっと見ていれば、その会社の良さ、強み、これから何をやれば良いか見えてくる。

村上龍:商社では当時バリバリにセールスしていた人はいたが、経営者になった人は少ない。その人達と松本さんの違いは何か。

松本晃:物を売るスキルと会社を経営するスキルは種目が違う。野球でホームランをバンバン打つ人が監督になっても上手く行かないのと結果的には同じ。あとはいかにして人をインスパイアーすることが出来るか。

「インスパイアー(inspire)とは、活力となるような思想・感情などを人の心に吹き込むこと」

カルビーの改革にあたり・・・



松本晃:ジョンソン&ジョンソンには4つのステークホルダー(利害関係者)がいる。顧客が一番。ほとんどの会社は株式会社だから株主と言うがこれは違う。2番目は従業員と従業員の家族。3番目も株主ではなく、自分達のコミュニティー。自分達が住んでいる国や地域社会。そこまで行かないと結局株主のところには来ない。

村上龍:松本さんの言葉に「人から愛されないと仕事は上手く行かない。営業は物を売るのではなく、円滑で良好な人間関係をいかに気付くか。そのためにはコミュニケーション能力が必要であり、ビジネスは人がすべてだ。」というものがあるが、これはジョンソン&ジョンソンに行ってから気付いたのか。

松本晃:お客さんはよく来る人から買う。お客さんは約束を守る人から買う。人は買いたい物を買うのではなく買いたい人から買う。だから人なんだ。

村上龍:カルビーは松本さんに何を求めたのか。

松本晃:私を誘ったのは3代目社長で創業者の3男の松尾雅彦さんという方。松尾雅彦さんは私にジョンソン&ジョンソンのような経営をして欲しかったのだと思う。

松本が抱く危機感



村上龍:松本さんが伝えたいことが他の企業に比べるとスムーズに浸透したように思うが。

松本晃:私は頭が悪くはないが大して良くないのであんまり難しいことは言えない。だから出来る限り簡単なことしか言わない。

村上龍:グローバルの波が来るかもしれないという危機感はどこで培われたのか。

松本晃:今の日本を見ているとほとんどそれ。準備不足だと思う。カルビーは日本の市場を守らなければいけないという危機感。世界は広い。日本の人口は世界の1%。残りの99%をやればビジネスは広がる。

小池栄子:1等だけでも十分と思うが、なぜダントツでなければならないのか。

松本晃:例えば1等のマーケットシェアが50%、2等が15%とする。これは危険。2等になればよく分かるが、追いかける方が遥かに優しい。50%くらいで安心しているとそれは必ず減る。そのくらいの意気込みでやっていないと会社というのは危ない。

伊那食品工業塚越寛の心にグッとくる言葉を自分なりに考えてみる


 
塚越寛さんと言えば利益はうんこだとかうんちだとか、なかなか面白い言葉がありますが、個人的にはこの言葉が一番印象に残りました。

1つはかんてんの原料はどこにもある代物ではない。需要が急激に伸びると原料の価格がすぐに跳ね上がってしまう。もう1つは値崩れをしたくない。社員が一生懸命作ったものだからこれだけはどうしても頂きたい。

こちらは先日カンブリア宮殿伊那食品工業特集にて挙がった言葉なのですが、その中の「社員が一生懸命作ったものだからこれだけはどうしても頂きたい。」の部分。なんかこれが心に引っ掛かっているので出来る限りまとめてみました。

【カンブリア宮殿メモ】伊那食品工業塚越寛の年輪経営とうんこ 

本屋に例えて考える

「社員が一生懸命作ったものだからこれだけはどうしても頂きたい。」の一生懸命○○したからの部分を、本を書いた人と本を売る人が使った場合、その重みはそれぞれ違ってくるのではないかと思います。

アマゾンで本を売る人が「一生懸命梱包したからこれだけはどうしても頂きたい。」とコンディション説明を書いたとしても、消費者の心にグッとくるものはあまり無いように感じます。当たり前と思われてしまうかもしれません。

でもその本を書いた人が言うとどうでしょう。こっちも当たり前と言えば当たり前なのですが、どこか心にグッとくるものがないですかね。

「一生懸命書いたものだからこれだけはどうしても頂きたい。」

自分なりに考えてみたところ、その一生懸命の対象が顧客が一番求めている商品(本)からサービス(梱包)などへと離れて行けば行くほど、その言葉も軽くなってくるような気がします。

誰が一生懸命作ったのかを考える

この言葉が第三者に対するものであるということも大きいです。

「一生懸命作ったものだからこれだけはどうしても頂きたい」と「社員が一生懸命作ったものだからこれだけはどうしても頂きたい」ではその言葉を受け取った人の感情は違ってくると思います。

前者については「自分で言うな!」とひねくれた人に言われてしまう可能性がありますが、後者についてはその可能性が低くなります。同じ会社の人なんだから自分と言えば自分なんですが自分ではないわけです。

一生懸命と言えば、Amazonには1円の本が目立ちますが、一生懸命書いた本が1円で出品されているってのも、その価格は俺の意志じゃねえみたいな感じで悲しいですね。

スポンサードリンク


Page 1 of 3123

このページの先頭へ