ミニレターの仕訳・勘定科目と消費税の課税非課税を現役経理が解説
小さい専用封筒を購入して送るミニレター(郵便書簡)の仕訳はどう行えばよいのか、実際に税務署で確定申告をした経験がある株式会社セラーバンクの経理担当が、使用する勘定科目、消費税の課税非課税などをすべて解説します。
ミニレターは専用封筒を購入してその封筒の中に送る荷物を入れて、郵便局の窓口または郵便ポストに投函することで送ることが出来るため、普通郵便とは違い別途封筒を購入したり、切手を貼る必要はありません。
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ミニレターの勘定科目
ミニレターの仕訳を行う際に一般的によく使用する勘定科目は「通信費」と「貯蔵品」です。
ミニレター購入時の仕訳を行う際の勘定科目は「通信費」として計上するのが一般的で、「荷造運賃」はミニレターを含む切手など郵便関連の勘定科目として一般的には使用しませんが、会社の事業方針などによってはこちらを使用しているところもあります。
「通信費」と「荷造運賃」のどちらを使っても問題はありませんが、混在させることはせずに、必ずどちらかで統一するようにしましょう。
そして、決算期末時の棚卸しの際に余っているミニレターの専用封筒の仕訳を行う際の勘定科目は「貯蔵品」として計上するのが一般的で、この場合は「通信費」を「貯蔵品」に振り替えます。
また、現金支払いではなくクレジットカード決済で、郵便局の窓口やAmazonなどのネット通販でミニレターの専用封筒を購入した場合は「未払金」と「普通預金」といった勘定科目を使うことになりますので、以下ではこちらもあわせて解説します。
日本郵便 ミニレター 郵便書簡 |
現金支払い時のミニレターの仕訳
多くの事業者さんは郵便局の窓口でミニレターの専用封筒を1枚63円で現金支払いによって購入しています。
例として、郵便局の窓口でミニレターの専用封筒を10枚購入し、その翌日にその中の1枚を使って発送し、算期末時に9枚余っていた場合の仕訳は以下の通りです。
◼︎郵便局の窓口でミニレターの専用封筒を10枚現金で購入した
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
通信費 | 630 | 現金 | 630 |
◼︎ミニレターの専用封筒を1枚使って発送した
仕訳なし
◼︎ミニレターの専用封筒が算期末時に9枚余っていた
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
貯蔵品 | 567 | 通信費 | 567 |
キャッシュレス決済時のミニレターの仕訳
郵便局の窓口では現金支払いだけでなく、VISAやJCBなどのクレジットカード、SuicaやPASMOなどの電子マネー、PayPayやメルペイなどのスマホ決済といったキャッシュレスでもミニレターの専用封筒を購入することが出来ます。
例として、1月1日に郵便局の窓口でクレジットカードでミニレターの専用封筒を1枚63円で購入し、1月5日にそのミニレターで荷物を送り、2月25日にクレジットカードの支払いが銀行口座から行われた場合の仕訳は以下の通りです。
◼︎1月1日に郵便局の窓口でクレジットカードでミニレターの専用封筒を1枚購入
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
通信費 | 63 | 未払金 | 63 |
◼︎1月5日にそのミニレターで荷物を送った
仕訳なし
◼︎2月25日にクレジットカードの支払いが銀行口座から行われた
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
未払金 | 63 | 普通預金 | 63 |
ミニレターの消費税
ミニレターの消費税については、購入時ではなく、実際にそのミニレターで郵便物を送った際の使用時の課税仕入れとなります。
しかしながら、ミニレターの封筒を転売などはせずに自ら使用するものについては継続適用を条件として購入時の課税仕入れとして処理することが認められているので、会社の経理等の実務では購入時の課税仕入れとして処理することが一般的です。
郵便局の窓口でミニレターの封筒を購入した際のレシート上では、消費税は0円と記載されており、非課税となっていますが、実務では消費税込みの内税金額として処理します。
そのため消費税10%を加味した場合の仕訳は以下のようになります。
◼︎郵便局の窓口でミニレターの専用封筒を10枚現金で購入した
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
通信費 | 567 | 現金 | 630 |
仮払消費税 | 63 |
なぜレシート上で非課税となっているのか、その理由としては、消費税法第6条で「国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第1に掲げるものには、消費税を課さない」と記載されており、ミニレターを含む郵便切手類がこれに該当します。
そのため非常に特殊ではありますが、ミニレターを購入した事業者の立場からすると、購入時には消費税は払っておらず、使用時に消費税を払うということになります。
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