日本郵便の迷惑メール対策!クリックやダウンロードしてしまった場合の対処法
iPhoneやAndroid等のスマホに不在連絡を装いショートメール(SMS)で送られてきた日本郵便(郵便局)の迷惑メールのURLをクリックしてしまった、偽サイトを開いてしまった、不正アプリをダウンロードしてしまった場合の対処法をそれぞれご紹介します。
日本郵便を装う送信者からSMSが届くと、「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。下記よりご確認ください。」といったメッセージとともにURLが送られてきます。
日本郵便ではこのようなSMSを利用した不在連絡などは行っていないため、このような内容のメールが日本郵便を名乗る送信者から届いても、まずは疑いURLはクリックしないことをおすすめします。
公式サイトと偽サイトの違い
上記画像が日本郵便の公式サイトと偽サイトの比較画像となります。左が公式サイトで、右が偽サイトの画像となっています。
現在出回っている日本郵便の偽サイトはかなり精巧な作りをしており、一見しただけでは日本郵便の公式サイトと見分けを付けることはほとんど困難となっています。
日本郵便に先駆けて出回っていた佐川急便とヤマト運輸の偽サイトの場合は、荷物の問い合わせ検索のボタンが本物とは異なり、「インストール」と書かれたよく見ると怪しいものでした。
しかし、今回の日本郵便の偽サイトの場合はそのような「インストール」ボタンもなくなり、ますます見分けるのが困難なものとなっているので、より一層注意が必要です。
◼URLで判断する
このようにサイトの外観からは本物と偽物の区別は非常に難しいため、日本郵便の公式サイトと偽サイトを判断する最も確実な方法は、開いているサイトのURL(アドレス)を確認することです。
日本郵便の公式サイトは「post.japanpost.jp」というURLなのに対し、偽サイトは「jppost-ri.com」「jppost-pu.com」など、多くが「jppost」という文字列を含んだ上で「-▲▲」と繋げて「.com」で終わるURLになっています。
日本郵便の公式サイトで、「.com」が付いたページはありませんので、開いたページのURLの最後が「.com」で終わっていた場合には、まずは偽サイトであることを疑い、心配であれば身の回りの詳しい人に聞いてみると良いでしょう。
なお、このような非常に精巧な作りをした詐欺サイトを防ぐための対策として、確実なのは使用しているスマートフォンにウイルス対策アプリを入れていくことです。
以下のトレンドマイクロのようなスマホ向けのウイルス対策アプリであれば、iPhone・Androidそれぞれに特化したものとなりますので、今後はパソコンだけでなくスマホにもウイルス対策ソフトを入れておくことをおすすめします。
トレンドマイクロ(Android・iOSアプリ) |
ショートメールが届いてまだクリックしていないときの対策
日本郵便の偽サイトは、上記画像のように日本郵便を名乗る送信者から、不在時連絡としてSMS(ショートメール)で送られてきます。
このようなメッセージ後のURLをクリックしてしまうと、上で解説した日本郵便の偽サイトに飛ぶような仕組みとなっています。そのため、最も適切な対処法はこのようなメッセージが届いても無視することです。
日本郵便公式サイトでも記載されているように、日本郵便ではSMSによる不在の連絡は行っていません。このようなメッセージが届くこと自体、詐欺であることが明らかなので、気になってもURLはクリックせずに、放置しておくことをおすすめします。
URLをクリックし偽サイトを開いてしまったときの対策
上で解説したように、日本郵便ではSMSによる不在連絡は行っていないため、日本郵便を名乗る送信者からメッセージが届いても、一番の対処法は無視しておくことです。
しかし、万が一URLをクリックしてしまい、偽サイトを開いてしまった場合にはすぐにそのサイトを閉じるようにしてください。
基本的にこのような詐欺目的のサイトは後述するように不正アプリを密かにインストールさせたり、Apple IDなどを入力させて個人情報を得ることを目的としています。そのため、サイトにアクセスした程度では大きな問題にはなりません。
ただし、どの電話番号に送信したメッセージからアクセスを得たと情報は偽サイトの運営者側に知られてしまう危険性はゼロではありません。
万が一リンクのクリック後から、迷惑メールの数が急激に増えたりした場合は、契約している携帯会社に相談するようにしてください。
iPhoneでApple IDを入力してしまったときの対策
今回出回っている日本郵便の詐欺サイトでは、アクセスしたスマホやタブレット端末がiPhoneやiPadのApple製品か、Android端末かによって個人情報の入手方法は異なっています。
使用しているスマホがiPhoneだった場合、偽サイトにアクセスしてもAndroidのように不正アプリのインストールは行われません。
しかし、代わりにiPhoneでは偽サイトを訪れてどれか一つでもリンクやボタンをタップすると、すぐに上記画像のApple IDの入力を促すページに飛びます。
当然、これはアクセスした人のApple ID情報を入手し、登録している住所やクレジットカード番号等を入手するのが目的なので、絶対に入力しないでください。
万が一ここでApple IDとパスワードを入力してしまった場合は、すぐにそのApple IDから登録していたクレジットカードの情報などを解除し、できればそのクレジットカードはしばらくの間利用停止状態にしておくと良いでしょう。
また、Apple IDとパスワードはすぐに変更するようにしてください。
その後身に覚えがない請求が来てしまった場合には、消費者センターなどに相談するようにしてください。
Androidで不正アプリをダウンロードしてしまったときの対策
使用しているスマホがAndroidの場合、iPhoneのようにApple IDの入力画面には飛ばされませんが、代わりに不正アプリをインストールさせようとしてくるので、より注意が必要です。
これにはセキュリティ面の仕様から、iPhoneよりもAndroidのほうが乗っ取りなどの行為が行いやすいため、Androidのユーザーを主な対象として詐欺行為が行われているという背景があります。
Androidスマホで日本郵便の偽サイトにアクセスして、どれか一つでもリンクやボタンをタップすると、すぐに上記画像のように「jppost.apk」などと表記されたアプリをインストールさせる画面になります。
さらに、キャンセルボタンをタップしてもすぐに「追跡を行うためには日本郵便の追跡アプリが必要」とで何度もしつこく表示されるので、間違えてOKボタンや保存ボタンを押さないようにご注意下さい。
万が一OKボタンを押してしまい、不正アプリをインストールしてしまった場合には、すぐにスマホ自体を機内モード(フライトモード)に設定し、外部との通信接続を遮断するようにしてください。
その上で、最も確実な対処法は契約しているドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアショップまで相談しに行くことです。
また、自分でもできる対処法として、端末のダウンロードの履歴やファイル管理アプリからインストールした覚えがないファイルが存在しないかご確認ください。
万が一、身に覚えがない「jppost.apk」などといった「.apk」が最後に付くファイルが偽サイトへのアクセスした時刻と同じタイミングにダウンロードされていたら、それが偽サイトからダウンロードされてしまった不正アプリとなります。
すぐに完全削除を試みてください。
電話してしまったときの対策
日本郵便を名乗る送信者からSMSが届いた際、それが詐欺サイトのものと気が付かずに送信元の電話番号に掛けてしまったとしても、基本的に電話をかけてしまっただけであれば大きな問題にはならないのでご安心ください。
その理由として、このようなSMSの送信元の電話番号は、多くが今回のような詐欺サイトに引っかかってしまい不正アプリをインストールしてしまった方のものだからです。
前述したAndroidスマホで不正アプリをインストールしてしまった場合は、その不正アプリから勝手に何百通とSMSが送信されてしまいます。
そのため、受信したSMSは詐欺サイトで引っかかってしまった方の電話番号であることがほとんどのため、間違えて電話してしまったとしてもその送信者の個人電話番号に繋がるだけです。
トラブルに巻き込まれることはありませんが、何度も電話をかけたりすると、詐欺サイトに引っかかった送信者の方にストレスを与えるだけなので、いたずら目的での発信は行わないようにしてください。
反対に、万が一日本郵便の偽サイトへアクセス後、見知らぬ電話番号から何件も電話が掛かってくるようであれば、不正アプリをインストールしてしまった可能性が高いので、一度キャリアショップまで相談しに行くことをおすすめします。
過去の日本郵便を偽った詐欺
今回発生した日本郵便を名乗る迷惑メールの事件以前にも、日本郵便の名前を装った迷惑メールや架空サイトの事件は発生しています。
2015年12月にはPCメールで不在連絡を伝えた上で、注文時に登録していた電話番号に誤りがあったとして不在連絡をメールでしているという文面のものでした。
さらに、添付されている委託運送状を印刷して最寄りの郵便局までお問い合わせくださいとして、添付ファイルとして「日本郵便追跡」というzipファイルが貼り付けられていました。
当然、これはでたらめのファイルであり、その中身には主にネットバンキングでの不正送金を行うためのPCウィルスが仕込まれてしました。
さらに翌年の2016年6月にも同様の手口の日本郵便を装う迷惑メールが出回っており、前回のものよりもさらにメールの内容が巧妙に作り込まれているものでした。
今回発生している日本郵便の迷惑メールでは、ターゲットがPCからスマホに変わったとして、より多くの人を狙うことが可能となっているので、今後もこのような詐欺サイトは増え続けると考えられます。
PCだけでなくスマホにもウィルス対策アプリを入れるなどして、セキュリティ対策をしておくことをおすすめします。もちろん、一番の対策は見に覚えのない怪しいメールやSMSに記載されているリンクは絶対に開かないことです。
迷惑メールの目的と過去の実際の被害
前述してきたように、今回出回っている日本郵便を装う迷惑メールは、日本郵便の偽サイトにアクセスさせ、Apple IDの情報を得たり不正アプリをインストールさせることが目的となっています。
このような迷惑メールに引っかかってしまい、フィッシング詐欺などにあってしまった方の過去の実際の被害の実例をいくつかご紹介します。
◼被害の事例1
日本郵便から不在連絡としてSMSが届いたのでクリックするとウェブサイトに繋がったので、配達のボタンを押した。Apple社からの配達なのでApple IDとPWが入力するように指示されそのまま入力。
入力後Loading画面のままだったが、その他のボタンを押してみると中国語が出たので初めて騙されたときが付き、すぐにPWを変更し郵便局と警察に通報した。
◼被害の事例2
日本郵便を装ったショートメールが来てなんの疑問もなくURLを開いたが、iPhoneのセキュリティ機能により「マルウェアWebサイトの警告」と表示され、すぐに詐欺だと分かり助かった。
◼被害の事例3
日本郵便を装った迷惑メールを詐欺とは気が付かずに開いてしまったことから、次々にメールが来るようになりとても鬱陶しいことになってしまった。
また不正請求などの被害は出ていないがなにか対策をしたほうがいいのか心配になってしまう。
◼被害の事例4
日本郵便を装ったSMSからリンクを開き、そのまま気が付かずにApple IDとパスワードを入力してしまったところ、キャリア決済の上限(10万円)までiTunesカードやAmazonギフト券を購入されてしまう被害にあった。
◼被害の事例5
日本郵便の偽サイトで不正アプリをインストールしてしまったことから、スマホが勝手に1日何百件と知らない電話番号宛てにSMSを送信するようになった。
その後見知らぬ電話番号から何度も掛かってくるようになり、出てみると「日本郵便でしょうか」「再配達の依頼をしたいんですけど」といったようにいきなり言われてしまった。
関連:佐川急便の迷惑メール対策!クリックやダウンロードしてしまった場合の対処法
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