郵便局の集荷が廃止になった理由と代替案による対策
今まで無償で行われていた郵便物の集荷サービスが2018年6月30日をもって廃止となったその理由と、代替案による対策についてです。
今回廃止となったのは主に法人や自営業者が契約していた大口契約による集荷サービスで、一般の個人の方への影響はありません。
また、今まで今回廃止された集荷サービスを利用していた事業者には、事前に「郵便物の集荷見直し等についてのお知らせ(お願い)」という書類で通告が行われていました。
今回集荷サービスが廃止された一番の理由は、近年の急激なゆうパック利用者の増加により、日本郵便の局内部が深刻な人員不足に陥っているからです。
廃止になる郵便物
集荷対象郵便物 | 集荷対象外郵便物 |
○ ゆうパック | × レターパックライト |
○ レターパックプラス | × ミニレター |
○ ゴルフ・スキーゆうパック | × ゆうメール |
○ 空港ゆうパック | × 定形郵便 |
○ チルドゆうパック | × 定形外郵便 |
○ EMS(国際スピード郵便) | × クリックポスト |
○ 国際小包(船便) | × スマートレター |
○ 国際小包(SAL便) | × ゆうパケット |
○ 国際小包(航空便) | × 国際eパケットライト |
上記表が2018年7月から集荷してもらえなくなったものと、変わらず集荷してもらえるものです。
今回集荷が廃止されたものと廃止されなかったものをざっくり分類すると、ハガキなどポストに投函できるようなサイズのものが廃止され、反対にゆうパックなどの段ボールで送るような比較的大きな送り方は今後も集荷サービスが受けられます。
なお、前述した通り今回集荷が廃止になったのは、法人や自営業者向けに無料で行ってきた集荷サービスとなります。一般の個人の方への影響はありません。
郵便局の集荷が廃止になった理由
なぜ法人向けの郵便局の集荷が廃止になったのか。その一番の理由は2017年からゆうパックの利用者が急激に増えたことから、集荷サービスを行う人手の余裕がなくなったことがあります。このゆうパックの利用者の急激な増加の背景には、近年Amazonなどのネット通販やメルカリなどのフリマアプリ利用者の増加と、それに伴うヤマト運輸の値上げがあります。
◼Amazon利用者の増加と佐川急便の撤退
多くの方が体感している通り、Amazonに代表されるネット通販を利用する方が年々増えたことから、それを配送する宅配業者の仕事量が増えてしまいました。
そして、2013年にはAmazon商品の配送を担っていた佐川急便が、業務量の圧迫から賃金アップの交渉をしたところAmazon側からの合意が得れず、Amazonと佐川急便の契約が打ち切りとなりました。
◼ヤマト運輸の値上げ
Amazonから撤退した佐川急便の跡を継いだのがヤマト運輸だったのですが、そのヤマト運輸も業務量の圧迫から2017年にはAmazonの「当日配送」サービスから撤退し、また、宅急便サービスの値上げや配達時間の枠の縮小などを行いました。
結果として、ヤマト運輸の宅急便の使い勝手が悪くなったことにより、多くの人がそれまでフリマアプリでの売買や個人間での荷物を送る際に利用していたヤマトのサービスから、ゆうパックなど日本郵便のサービスに流れたのです。
◼ゆうパックの爆増と人員不足
2017年にはゆうパックの利用者数が、前年比約25%増という爆発的な増加量になり、さらに現場は慢性的な人員不足に陥っていたことから現場は大混乱となりました。
今回の集荷サービスの廃止はそのような人員不足の理由から、ゆうパック配達へ人員を割くためにやむを得ず決定されました。また、あえて6月という時期を選んだのも、お中元の繁忙期である7月を避けるためというのが理由です。
関連:ヤマト運輸が人手不足になった原因
代替案による対策
今回の日本郵便による集荷サービスの廃止の今後の代替案としては以下のようなものがあります。◼アルバイトの人を雇う
毎日大量に郵便物を発送する事業者は、今後はアルバイトの人を雇い郵便局まで持って行ってもらうのが最善策です。
今までは集荷サービスを依頼していた人たちが、廃止後には窓口に出向くことになったことから、今までよりも窓口の混雑が予想されます。
窓口での順番待ちといった時間的ロスを防ぐ意味としても、アルバイトの人を1日数時間でも雇うのは良い解決策です。
◼代行サービスを利用する
日本郵便が集荷サービスを廃止したことから、民間の郵便局への持ち込み代行サービスが広まってきています。これらの代行業者では毎日決まった時間に郵便物を引き取りに来てくれます。
目安としては1枚あたり1円で送れたりするので、毎日大量に送る事業者にとっては、間違いなく元を取れるでしょう。
◼自分で持っていく
毎日大量に郵便物を発送するが人を雇ったり代行業者に依頼するほどでもないという事業者は、自分で最寄りの郵便局に持っていくのが一番の得策です。
送る郵便物が一日あたり数100枚から1,000枚程度の枚数であれば自分で持っていくのが一番安上がりでしょう。
◼後納ポストインを利用する
集荷を廃止した日本郵便が推奨している代替案は、後納ポストインというサービスです。
後納ポストインとは、その名の通り1か月間に差し出した郵便物の料金をよく月にまとめて支払えるサービスで、日本郵便が用意している専用ケースに後納郵便物と後納郵便差出票を入れることで、24時間何枚でも好きなだけポストに投函することができます。
なお、この後納ポストインサービスを利用するためには、料金後納サービスを利用していることが前提条件となっています。
また、簡易書留などポストに投函して出すことができない送り方に関しては、後納ポストインで出すこともできません。
関連:郵便局にゆうパックやEMSの集荷を依頼する方法!電話番号や料金など
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